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海外在住者が、米国株の税金を下げる方法

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日本居住者は、米国株式・ETFの配当にかかる税率は10%です。これは、日米租税条約によって軽減税率が適用されているからです。しかし、このような軽減税率がない国に住んでいる日本人は一律30%の配当税がかかります。

今回は、このような軽減税率がない国(シンガポール含む)にお住まいな方を対象に配当税を抑える方法を紹介したいと思います。

シンガポール居住者である私も、VOOなどの米国株式インデックスに連動するETFを購入した場合、配当には30%の税金がかかってしまいます。 

 アイルランドETFとは

アイルランド籍のETFに投資するのが今回の方法です。米国、アイルランド 間では配当を15%に軽減する租税条約があります。そして、European Stock Exchangeに上場するアイルランド籍のETFを購入することで、配当にかかる税率を15%に抑えることができます。

そして、バンガードやiSharesは、軽減税率がない国の投資家のために、アメリカ株式、グローバル株式を投資対象としたETF(アイルランド籍)を、European Stock Exchangeに上場しています。よって、アイルランド籍のマイナーETFへの投資をする必要はありません。

バンガードの人気ETFであるVOO(S&P500)の、アイルランド籍にあたるのがVUSDです。おさらいですが配当への税率は以下のようになります。

US ETF(eg. VOO) > 30%の税率

Ireland ETF(eg, VUSD) > 15%の税率

※米国株式の配当に係る軽減税率のない国にお住いの場合

アイルランドETFの種類

バンガードのVUSDというETF以外にも、バンガードはアイルランド籍のETFを上場しています。そして、iSharesからもアイルランド籍のETFが出ており、メジャーなETFアイルランド籍版を売買することは可能です。IWDAは、アイルランド籍のMSCI World Indexに連動するETFです。

ここで少し応用編です。Vanguard All World ETF(VWRD)は、バンガードが上場しているアイルランドETFです。アメリカ以外のグローバル株式を投資対象に含むETFですが、こちらの配当税率は15%よりも低いようです。

アメリカ株式への投資割合が50%ほどですが、他の国の株式分に係る配当税率は別途計算されており、合算すると10%ほどになっているようです。詳しくはバンガードのサイトをご確認ください。

以下は、ここまでのおさらいです。

US ETF(eg. VOO) > 30%の税率

Ireland ETF(eg, VUSD) > 15%の税率

Ireland ETF(eg, VWRD) > 約10%の税率

 ※米国株式の配当に係る軽減税率のない国にお住いの場合 

以下サイトは英語ですがアイルランドETFの仕組みが解説されており、仕組みに興味のある方は是非一読ください。

Nonresident alien with no US tax treaty & Irish ETFs - Bogleheads

 

アイルランドETFの問題点

アイルランド籍のETF(VUSDなど)は、米国籍のもの(VOOなど)に比べて流動性・経費率といった点では劣ります。

ただ、配当への軽減税率は、以上のコストを上回ると考えられ有用な選択肢となりそうです。また多くのアイルランドETFはUSD建で上場されているため、USDベースでは為替リスクは発生しないものが多いです。

まとめ

私自身、資産の多くを米国株式に連動するインデックス型ETFに分配したいと考えていますが、配当への税率は結構な大きさです。5%の配当を得たとしても、税引き後は3.5%です。長い目で配当税分1.5%(5% - 3.5%)は、投資のコストとしてのしかかってきます。海外在住者は一度アイルランドETFも選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。